さまざまなルーツを持つ選手たちが、自分のルーツを大切にしながら、ひとつのチームとして戦う。
多様性を体現するスポーツにおいて「実力で誰よりも上手く蹴れるように」と語る承信は試合ごとに進化する姿を見せている。
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ラグビーワールドカップ(W杯)2023が閉幕した直後だった。神田の羊ホルモン料理店「大笑」で絶品のラム肉をつつきながら、
安英学(アンヨンハ・45)が言った。「彼の生き方は僕にとっても誇らしいですよ。自分のルーツやアイデンティティーを大事にしながら、
お世話になった日本の方のためにも闘いますというのを公言して本名でプレーしている。在日の次の世代の生き方なのかなと思います」
安は在日三世として生まれ、サッカー選手として現役時代はJリーグでプレーしながら、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)
の代表として活躍してきた。話題に上っているのは、李承信(リスンシン・23)。同じく在日コリアンで韓国籍であるが、
ラグビーの日本代表としてW杯のサモア戦に出場していた。途中出場ながら、弱冠22歳の若さで違和感なくゲームに入り、
適応力の高さを見せつけていた。
日本のパスポートを有しない者が日本代表になる。これは国籍主義のFIFA(国際サッカー連盟)と対照的に、
所属協会主義をとっているWR(ワールドラグビー)のレギュレーションの大きな特徴である。
ラグビーの場合は国籍が異なっていても「出生地が当該国であること」「両親または祖父母のうち一人が当該国出身」
「当該国で連続5年以上居住している」「通算10年以上居住」という条件のうち一つを満たせば、その国の代表選手としてプレーできる。
安は祖国の南北分断を認めない朝鮮籍という属性を大切にしていた。ゆえに日本国籍や韓国籍の取得に動くことはなく、
北朝鮮代表としてプレーするために平壌に渡り、そこで認められて最後はW杯南アフリカ大会に出場している。
在日のアスリートがまったく異なる環境の本国で受ける苦労は小さくなく、それでも無名な時代からたたき上げで
北朝鮮代表でのプレーを完遂した安が、日本代表でプレーする承信をどう見ているのか?
冒頭の言葉はその質問をぶつけた答えである。
■ラグビー強豪校でなく片道2時間の朝鮮学校へ
店主の西原在日(にしはらざいひ・56)もこう言った。「ラグビーは在日の子にとってはええスポーツですよ」。
明治大学ラグビー部で、副キャプテンを務めた西原は大阪・鶴橋出身の二世である。大工大3年のときに高校ジャパンに選出されて、
ニュージーランド遠征に参加したときのことがその後の人生に大きな影響を与えたという。
「僕は国籍は韓国でしたけど、正直、ほんまに自分は韓国人なんかなとモヤモヤしていた。韓国人なら、
祖国の兵役に行かないとあかんのか。でもそんなんできるわけないし。一方で日本代表になってもええんやろか。
そんなふうに悩んでいるときにニュージーランドに行ったら、相手はサモアやトンガの出身の選手が
ニュージーの代表ユニフォームを着て試合に出てきた。ああ、これでええんや。俺は俺でええんやと。
自分の生き方も決まった瞬間でしたね」
パスポート主義は、国家の選択をひとつに迫られることになる。特にマージナルな存在のマイノリティーや先住民の選手にすれば、
どこかを選ぶことで喪失感を持つこと、あるいは同胞からバッシングを受けることさえありうる。
ダブルの選手などにとってもひとつの選択を強いられる制度でもある。しかし、国籍や国境にこだわることなく、
居住している国や地域のために様々なルーツを持つ選手がひとつになって戦うことができるラグビーは、
極めて自然にプレーに入っていける。
朝鮮学校初の日本代表である李承信は、まさに新しい在日の形として存在している。
ー後略ー
全文はソースから
7/12(金) 18:32配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/dbae5cc52572d30d5f552649e1c62f571805f260
引用元: ・【AERA】 国籍がどこでもひとつのチーム 日本を勝たせるために蹴る ラグビー選手・李承信 [7/14] [仮面ウニダー★]
他の在日から刺されないか心配だな
帰化か帰国か選ばずに甘い汁吸ってるルーツじゃん
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